東京都高体連剣道部だより 通巻45号
新人剣道大会
平成18年4月9日発行
発行東京都高体連剣道部
調査・研究・広報部
8巻6号・通巻45号
去る1月29日(日)東京武道館に於いて、東京都高等学校新人剣道大会が行われた。各支部予選を勝ち抜いてきた精鋭たちが火花を散らした。男子は高輪高校、女子は国士舘高校が栄冠を手にした。結果は以下の通り。
男子決勝
試合拝見
先鋒の安川(高輪)開始後1分鍔迫り反則、引き面等を仕掛けるが両者不十分、先鋒戦は引き分けた。続いて次鋒戦開始後30 秒ほどで真田(高輪)が鍔迫り反則、その後両者鍔迫り反則をし桑原(国士舘)が反則の一本を先取した。真田は思いきりのよい技を繰り出しドウを取り返した。場外ぎりぎりの攻防で危険行為の反則を受けるが引き分けとなった。中堅の丸家(高輪)は中盤竹村(国士舘)が打ちに出てきて居着いたところを思い切りよくメンを決め一本勝ちをおさめた。副将嶋村(国士舘)は三浦(高輪)が引き面で下がっていくところを思い切った飛び込みメンを決めた。三浦はその直後機をみて思い切りよく攻め相手の居着いたところを小手面で攻めメンを取り返し引き分けに持ち込んだ。いよいよ大将戦一本を追う国士舘ではあったが、両者一歩も譲らず引き分けとなり1勝4分けで高輪高校が優勝した。
キャプテンに聞く
勝因はチームがまとまった事だと思う。感想は苦しい試合だったが1年生2人、2年生3人が力を合わせてよく戦ったと思う。普段気を付けていることは、左手をしっかりすることと、足がはねないようにすることに注意している。いつも甲斐先生に指導されていることは、手の内や引き技の足裁きなど注意されている。新人戦優勝できたことはとてもうれしいと思います。全国大会は1試合1試合を確実にやっていきたいと思う。メンバーで1番活躍したのは大将の石田が頑張ったと思う。上達の秘訣は、毎日稽古をまじめにやることだと思います。
女子決勝
試合拝見
女子の決勝は、文大杉並を破って勝ち上がった国士舘と、拓大一高を破った修徳との戦いとなった。紺の胴衣の国士舘に対し、白の胴衣の修徳。勝ったほうが選抜大会への権利を得る。先鋒、国士舘佐藤(仁)の中段に対して修徳の七蔵司は上段。打ち合いの後、七蔵司は鍔迫り合いから胴を打って下がるが一本とならない。引き続き、七蔵司は胴を切って下がるが決まらない。合議がかかり、鍔迫りで七蔵司が反則を取られた後打ち合いが続いた。七蔵司が相手の竹刀を押さえに入ったところ佐藤は面に出るがこれも決まらない。七蔵司は上段が活かしきれないまま双方とも一本決まらず引き分けとなった。
次鋒戦は中段同士。国士舘の浅香が果敢に面を打ちに出るが一本とならない。打ってはつばぜり合いが続き、修徳の鈴木が反則を取られた。引き分け。お互いに1 勝したい中堅戦。まず、修徳の稲葉が出ばなメンをきれいに決める。今度は、2本目開始と同時に国士舘の齋藤(結)が出ばなメンで取り返す。勝負の掛け声とともに修徳・稲葉が小手・メンに出るがいささか強引で決まらない。お互いよく相手を見ている。齋藤が出小手を打った。が、稲葉の胴着に引っかかり止ってしまった。その後、主審側でつばぜり合いとなる。止めはかからず、場外だと思って稲葉が戻ったところを齋藤がメンを放って1 本となった。ちょっとの油断が勝敗を引き分けた。
副将戦。国士舘の斉藤(愛)、修徳・大坂ともにメンに出て、お互い果敢に技を繰り出す。大坂は1本がほしい。大坂のメンに対し、斉藤もメンを合わせる。斉藤もメンに飛び込む。赤旗3本があがり、メンの打ち合いを制したのは国士舘・斉藤であった。次いで、別れ間際に斉藤はみごとな引きメンを決め、2 本勝ちで優勝を決めた。
大将戦は、国士舘・佐藤と修徳・沼田。まず、開始早々佐藤が小手に出たが、1 本とはならない。修徳・沼田は上背からメンを繰り出すが、佐藤も一歩も引かない。つばぜり合いとなり、合議で沼田が反則を取られる。佐藤のメン、沼田の小手の打ち合いとなったが、攻めきらないで相手が崩れない状態で打つので1 本が決まらず、つばぜり合いに。竹刀を右側に回してしのぐ形が多く時間切れとなった。相手をしっかりと観ていた方が勝ちを収めた。
キャプテンに聞く
国士舘高校2 年生佐藤さん
● 今日の勝因は?
試合前に、全員で選抜に行きたいというモチベーションを高めた。一人ひとりの気持ち
を強くして、気持ちを一人ひとりつなぐことができた。
● いつも練習をする際に気にしていることは
気迫ということを大切にすることをいつも顧問から言われている。
● 今後の抱負について
選抜大会は優勝を目指す。チームワークを大切にしたい。また、練習の時間を大切にし
て稽古に励みたい。
武道系部活動合同稽古会生徒対象審判講習会
平成18年2月4日(土)午後より東京武道館に於いて、生徒対象の審判講習及び合同稽古会が生徒301名、指導者39名が参加し行われた。開式後、紺野先生より「審判の心得」の話があり、その後、審判旗の握り方・止め・面あり・合議等各所作を向かい合ってお互いに確認しながら何度も練習した。旗を上げたとき肘が曲がっていた生徒もきちんと伸びうまくなっていった。その後4グループに分かれ、それぞれの指導員の下に審判員の位置取りや動き、反則事例を実践した。
講習会後、警視庁の有力選手5名においでいただき、指導員とともに元に立ち、稽古をつけていただいた。警視庁の先生の前には、稽古をお願いしようと長い順番待ちの列ができていた。活気のある講習会及び合同稽古会であった。
お詫びと訂正
前回お配りしました、剣道部だより(8巻5号44号)の2支部の結果に誤りがありました。謹んで、訂正のうえお詫び申し上げます。